秀歌逍遥・かんぜおん



カテゴリ:[ 短歌/川柳/俳句 ] キーワード: 短歌 俳句


225件の内、新着の記事から50件ずつ表示します。


[230] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月22日(水)18時35分2秒   通報   返信・引用

  句会(2)

        青     橋立が青龍天に春の風

        試     三度とて歩み試すや老いの春

        棟     黎明に梟(ふくろ)くぐもる棟の上

        浪     春浪やおらがねむれば玉ねむる   (玉は猫の名)

        締     帯を締め少女(おとめ)が眸(まみ)やうらうらと




[229] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月22日(水)00時07分31秒   通報   返信・引用

     うんこ味のカレーの方を真剣に選んだ君の頬に飯粒   工藤吉生


うんこ味のカレーとはうんこの色したもんだろう。よくいうじゃないの、真剣に選ぶのがよい。この飯粒は可愛いな、ひとりの歌人を発見したのである若手の。



[228] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月20日(月)15時10分43秒   通報   返信・引用   編集済

     「退屈な天国は嫌よ、鬼とゐて地獄で遊ぶわ」阿婆ずれが言ふ   小川良秀


なかなかのことをおっしゃられる。しかしながら、地獄の鬼は怖いと思うよ、舌は抜くは炎のなかに投げこまれるやらで軽く考えたら震えるよ。瀬戸内寂聴さんがわたしと同じことをおっしゃっておられたがわたしのサイトのこの歌を見られたのだろう。わたしは永平寺の祠堂殿の閻魔と仲良くしていたから注意してね、拙僧を悪くいうと閻魔大王に言って地獄に堕すべ。



[227] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月20日(月)14時43分49秒   通報   返信・引用

     母と玉うとうとねむるは九泉ならむしぐれ霽れたり冬の虹たつ   小川良秀


九泉(よみ)、はれたり、と読む。玉は猫の名。うとうとするのは炬燵の中か、外は時雨、やがてやみ冬の虹が立つのである。眠りはひとときの黄泉なのだ。



[226] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月20日(月)00時50分0秒   通報   返信・引用

 舞鶴歌会


       水ふくむ原はうつろひ雪ふれる月のしろがね嘴うちあふ鶴(たづ)



[225] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月17日(金)16時52分46秒   通報   返信・引用

岩滝歌会


      愛しかる舳艫相銜めてわだわたる旅をしみればあが嬬いだく

      鋸歯状の花弁を二重にカーネーション夕べにしろく艶づく桃色

 題詠 節句

      真央ちやんは当世ゐでたるお雛さま氷蹴とばしクルクルクルと



[223] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月15日(水)23時41分51秒   通報   返信・引用

 句会(1)

           薄紙を重ぬるるごと雪吉事

           母と猫九泉(よみ)にうとうと冬の虹

           菱餅や少女(おとめ)の唇(くち)の産子口(おぼこぐち)

           証左する紙漉紅葉ほの赤く

           多分なる愛受けたるや大根膳


  会員の句
            正座する気立良き子や桃の花

            杖とれば久々の道雪解光

            啓蟄や踏石に置く庭の下駄

            何や彼やありて人生大根たく



[222] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月15日(水)11時37分45秒   通報   返信・引用

     こんなにもかわいい恋の命日をいつかあたしは忘れちゃうんだ   板倉和子


この恋の命日は可愛いといっているから小さい頃のあどけない恋なんだよね、汚れなくすぐに忘れる恋というもの。聖世界だろう、涙のない微笑むような初心な恋の生まれ。



[221] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月15日(水)11時28分25秒   通報   返信・引用

     小さめにきざんでおいてくれないか口を大きく開ける気はない   中澤 系


たわいのないものに詩を見いだすのがいいのだろう。口語で若者の世界であろう。悪いとも言えないしいいともいえない。可笑しな漫画を見ているようだ。歌はいろんな世界があってもいいのだ。いわゆる万智ちゃん色の歌だね。



[220] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月15日(水)11時18分16秒   通報   返信・引用

     自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった   仁尾 智


そうですね、自転車で行くとドアなどないのだ。こんな歌が若い者に受けるのだろう。わかりやすく、口語で、そんなに意味なくて難しいものはない。あたかも、焼きたてのパンを齧るようだ。



[219] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月10日(金)11時07分58秒   通報   返信・引用   編集済

     春の雨底にとどかず田に降るを田螺はちさく闇を巻きをり   籔内亮輔


たしかに雨は田の表面をたたき田螺にはとどかぬかもしれないのだが田螺には雨の気配はわかるだろう。終わりの、ちさく闇を巻きをり、が詩をひらかせる。



[218] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月10日(金)10時55分58秒   通報   返信・引用

     冬日差す水のほとりは明るくて鴎のこゑのひびき降るなり   青輝 翼


短歌人のものが塔の指導者に短歌人のなかでもっとも興味ある歌人はと聞いたらこの青輝氏の名があがった。たしかにあげるだけのものがある。歌の世界、詩の表現に品格がそなわっている。



[217] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月10日(金)10時36分13秒   通報   返信・引用

     児の指せる星は父には見えざるを冬の欄干冷たきに凭る   黒瀬可瀾


彼の名のランは波のこと。かって題詠マラソンで出ていたがその時わたしもやっていて彼を知った。才閃く歌を見たのだが学生の頃と思う。早々と未来の選者になられ、ある宗派の僧の肩書もとられたようだ。お粗末僧はいただけぬが。それ以来、これといった歌を知らないのだが最近この歌に遭った。
児の指す星は児の世界であり、われ父のわからぬことでまたそれも美しい。彼に願わくば歌壇政治にかたまけて歌がおろそかにあることを十二分に注意していただきたい。



[216] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 9日(木)17時01分31秒   通報   返信・引用

     背後から光が射せば前方に落つる外なき影に首あり   石田比呂志


背後(うしろ)、と読む。この歌についてある評者が斬首も考えられると評す。わたしはそれについてどうかな、の疑問を呈する。斬首ならば射すでなく一閃であろう。深読みの誤りととりたい。

       うしろから一閃する光(かげ)ありてすぐ前方に落つ影は首なり



[215] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 9日(木)12時15分35秒   通報   返信・引用   編集済

     風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしはシーツをかける   笹井宏之


あなたがねむる数万の夜という。わからんでもない、それほどの多くの夜なのだろう。シーツをかけて愛あるように温かくしてやりたいのだ。ひとつの詩が生まれている。





[214] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 8日(水)13時57分32秒   通報   返信・引用   編集済

         春立ちぬ君帰らざる春立ちぬ   城山三郎


優れた文章家の句である。君、すなわち妻は肝臓癌で先立つ。城山は結婚前において名をなし裕福な人生を歩むのであるが。まさに妻となる身には前途洋々たるものがあった。そのためであろうか、酒などによる贅食が災いしたのかもしれない。人生は病気ほど不幸のものはない。喜びの春なれど君は逝って帰らない、その春なれど立つのである。なんとも耐えがたき悲痛である。



[213] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 7日(火)15時28分31秒   通報   返信・引用

     蚊のごとき蛇のごときを視野に飼ふ ぬるく燗して酒を小半   たかだ牛道


ひさびさに短歌人の歌人の秀歌にまみえる。蚊、蛇の視野とはわれわれを思考させる。その視野そのものより蚊、蛇の存在に視点がゆく。小半(こなから)とは一升の4分の1の量。蚊は小さい視野、蛇は見えぬためにうねうねとする探しあぐねる視野を思う。酒飲みすぎの糖尿病か、わたしはぐい飲みのひとつの量の百薬の長を心がけている。



[212] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 6日(月)13時14分47秒   通報   返信・引用

     いつまでも転んでいるといつまでもそのまま転んで暮したくなる   山崎方代


彼はいかに語ったら歌になり、詩になるのかを教えてくれる。そして、読むものの胸に入り魅了するかを黙して教唆するのである。誰にも分かる平明の深淵をたたえるのである。



[211] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 6日(月)13時04分51秒   通報   返信・引用

     くれなゐにそのくれなゐを問ふがごと愚かや我の恋をとがむる   与謝野鉄幹


われの恋を談じてる、恋のくれないなんぞ彼に存在するだろうか。好きなように女たらしをして好きなように女を捨てる、非人格的な男の勝手に今の女性はゆるさないだろう。断ずれば、恋の資格なんぞがないのである。色紙の彼の字は晶子の字に酷似するのだがどうも晶子に書いてもらったのではないか。



[210] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 6日(月)12時50分46秒   通報   返信・引用

     ぼくたちは勝手に育ったさ 制服にセメントの粉すりつけながら   加藤治郎


そうだろうか、勝手に育つということは身体が大きくなったことだけで親の愛など必要である。この断言は暴言でセメントの粉などどうでもよい。即ち、この歌はスジをなしえていない。これが加藤の見栄のごとき歌なのである。読む者にびっくらこかせてもっともらしく歌の体裁を媚するのである。



[209] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 5日(日)00時24分5秒   通報   返信・引用

     舌先をからめあはむとする夢にいましばしゐむ雨を聴きつつ   大辻隆弘


工藤吉生氏のブログを見ていたら彼ら未来の選者、大辻氏の歌に遭った。歌の評の前にわたしのサイトの世間話だろうか、大森氏のことにふれわたしが彼女に天狗になるなよの言にすっこけたというのだ。これ、慈父的愛憐の言葉であるのだがずっこけたというのだ。おもろいこという諸君である。
さてこの歌、夢に舌からめあうときに雨を聴きつつというのだ。でたらめの不実のような、不実が許容されるようないい加減が良いのであろう。彼はかって歌は俳句化せねばとおっしゃっていたのだが、歌、俳句は水と油のごときもので彼の言うことは無知といわねばならんだろう。わたし、俳句2年生の目。



[208] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 4日(土)00時41分9秒   通報   返信・引用

     言はざりし言葉は言ひし言葉よりいくばくか美しきやうに思ふ   稲葉京子


詩人らしい言葉である。冗舌は見苦しく辟易とさせる。言わない言葉はわれわれに言わない部分を想像させる。美しき言葉として、創造として。



[207] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 4日(土)00時32分5秒   通報   返信・引用

     ころがりしカンカン帽を追うごとくふるさとの道駆けて帰らん   寺山修司


寺山らしい演劇性のある世界だ。情景がまざまざと映る。カンカン帽がよい。平易ながら平易ならずの世界が映しだされる。極めて異彩。



[206] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 4日(土)00時22分26秒   通報   返信・引用

     こんなふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう   枡野浩一


ふざけた今日とは、ふざけてやがるの今日。ふざけるとは分かるようでモコとしてる。真面目でない、真剣でない、ピエロのような、じゃらじゃらしてる、いい加減な、など。どんな明日でもこれがあるのだ。



[205] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 2日(木)00時08分18秒   通報   返信・引用   編集済

     針の穴を通った糸はそれまでの糸よりやる気を感じさせるぜ   工藤吉生


小川良秀を検索していたら、わたしのサイトをクソサイトと書いてある。早速、検索すると彼が出てきた。どうもわたしがかってある有名歌人の厠の歌を評してこのように言ったらしい。歌人は何に感ずるのかが作者の才能なのだが、全くクソ、糞に興味があるらしい。これは本人が言ったのではなく知り合いが言ったらしい。驚くほどクソ才能のようだ。この歌は公募短歌館で沢口芙美、佐伯裕子がとっている。歌としてはまだまだなのだが今後ましな歌が生まれんことを祈る。



[204] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 3月 1日(水)12時19分33秒   通報   返信・引用

     ぶさいくが極まるほどにいちゃつきの度合いも増して道塞がれる   大橋麻衣子


そうですね、いちゃつかれるとこう頭にきてぶさいくだの道塞ぐだのいうのよくわかります。ちょっと大いに妬いているんだね、大橋君。それならば、素敵な彼氏見つけるだ 早いとこ。



[203] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月28日(火)13時29分46秒   通報   返信・引用   編集済

     気根のあまた地上に突き出し落羽松光の中につつまれて立つ   小久保基子


       気根なるあまた突き出す落羽松秋の光につつまれながら



[202] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月27日(月)13時17分45秒   通報   返信・引用

     真央ちやんは当世ゐでたるお雛さま氷蹴とばしクルクルクルと   小川良秀


真央ちゃん、は当世のお雛さま、彼女は日本的な顔立ちでまことに当世のお雛さまのようである。現代人の真央ちゃんは氷を蹴飛ばし宙でクルクル回転してやってのける。雛段にはこんなフィギヤースケートしてるお雛さんも当今では見られる。



[201] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月27日(月)13時04分17秒   通報   返信・引用

     恋人と棲むよろこびもかなしみもぽぽぽぽぽぽとしか思はれず   荻原裕幸


この、ぽぽぽぽぽぽなんだが ぽっとしてる、言葉がぽぽと、ぽぽとした心理、恥じらいのぽぽ、あぽのぽ、ぽぽとした進行、ぽぽの失言・失敗、 いうなればなんとでも考えてみなはれい、ぞぽ。



[200] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月27日(月)12時52分19秒   通報   返信・引用

     たすけて枝毛姉さんたすけて西川毛布のタグたすけて夜中になで回す顔   飯田有子


夜中になで回す顔のことをいっているのだが、日常会話のようにとりとめなくおもしろい。詩はなんでも詩になることが魅了するから歌なのである。



[199] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月27日(月)12時44分0秒   通報   返信・引用

     サンダルの青踏みしめて立つわたし銀河を産んだように涼しい   大滝和子


銀河を産んだように、がすばらしい詩である。体感も頷けられ否定するものがない。歌は詩の構築のなにものでもないことを教えられるものである。



[198] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月27日(月)12時34分29秒   通報   返信・引用

     雪の上に春の木の花散り匂ふすがしさあらむわが死顔は   前田夕暮


雪の上に春の木の花が散って匂うというのだ。厳密には匂うことはないのだが、思いとしてこのような表現になるだろう。そして、わが死顔があるのである。死を美しくしている、作者の願望が窺える。



[197] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月26日(日)23時59分53秒   通報   返信・引用

     犬顔の僧にて気障な咳払ひして法華経を唱へはじめたり   長谷川莞爾


短歌人の長谷川知哲氏のブログより、彼は現代の仏教は葬式仏教という。堕落は潜在化してこのように言われなくなった時こそ終焉と警告している。まさにそのとうりで、ならばどうしたらいいのだろうか。寺院の収入を葬式から離れるのは難しい。本部が月給制にするなどの配慮が必要である。この問題、僧とて苦慮しているのである。この歌、浅い観察でもう少しましなものがつくれないか。



[196] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月24日(金)13時30分29秒   通報   返信・引用

     わが影に影をしばらく重ねいて不意に分かれて前へ出る影   みぎて左手


影が展開して情景をつくっている。影をしばらく重ねいて、とは男女が抱擁接吻していたのか。不意に分かれて前にでる影、とはなんらか拒否のことがあったらしい。どうも、男が女に振られたらしい。作者名もおもしろく以前に歌をとりあげたことがあった。



[195] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月23日(木)23時44分54秒   通報   返信・引用

     ねむりより覚めたるわれはエジプトのスフィンクスのこと少し思へり   小池 光


エジプトのスフィンクスは太古の世から座りつづけている。王の墓を抱いて眠るかのようである。作者が眠りより覚めてこれを少し思ったということがおもしろい。ひとつの詩の創作であろう。



[194] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月23日(木)23時32分24秒   通報   返信・引用

     両の手に大根さげて来し人に大根もらひぬ視線が合ひて   中地俊夫


大根をさげて来た人は人のいい田舎の方であろう。視線が合って信頼感が宿りどうぞどうぞというわけだ。素直な人間の感情を見て心がほぐれる。平明、単純の中に非平凡の詩の高さがある。



[193] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月23日(木)22時43分21秒   通報   返信・引用

 句会(2)

      相     相嬉し蓬莱飾踊りだす

      縁     悪縁と叫(おら)びし友や冬に逝く

      多     多分なる愛受けたるや大根膳

      証     証左する紙漉紅葉ほの赤く

      測     測深の光の湖(うみ)やにごり鮒



[192] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月22日(水)17時27分44秒   通報   返信・引用

     人の世のわれを選びてかたわらのざくろはあかき口をあけたり   岡部桂一郎


柘榴はこのようにわれを選ぶことはないのだが、このようにいわれると視点が柘榴にいくのである。あかき口とは、実りの豊穣とそれに嘲笑う口である。前者はとってください、で後者はどやどやの自慢顔だろうか。



[191] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月22日(水)17時16分42秒   通報   返信・引用

     待つことのふえたるわれは待つ人の顔などながめ往来を見る   小高 賢


待つことのふえたわれ、とは老境がしんみりといったところか、自分と同じような人を慰み思い見ているのである。齢とればこのようにこころが広く気長になるのである。一抹の慰めにも似た自己愛だろうか。



[190] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月22日(水)16時52分28秒   通報   返信・引用   編集済

舞鶴歌会
        蓬莱のわれ鬼うたひ口説く妻いつしかわれに豆を放るな   小川良秀


非常にユニークだが、難解。作者の思いを聞きたいとの声。の歌会報告があった。みなさんがよく理解できずとった人は無しであった。岩滝歌会でも難しいであった。舞鶴歌会は今年から入会して、1,2月は雪のため欠席、3月から出席したい。 因みに高得点の歌は、

                誕生日迎へしき降る雪の嵩傘寿の身には傘重々し  5点

                雲の間を見えかくれしてゆりかごに目覚めしごとき夜明けの三日月  4点



[189] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月21日(火)22時39分6秒   通報   返信・引用

     手裏剣と思って避けたひとことが遠ざかるほど鮮やかになる   高松紗都子


その一言は手裏剣のごとく鋭く胸を射る、しばらく経てば、頭よぎるごとくに鮮やかにひらめきおるのだ。なかなかにおもしろく雄弁である。



[188] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月21日(火)22時29分5秒   通報   返信・引用

     ででっぽー眠れんかったんやろお前ぽーぽーぽっぽ小心者や   山下 洋


こんな歌が河野裕子にもあったようだ。その派生の歌だろう。ぽ、の音が五つもある。ぽーはあっぽー(阿呆)によく似ている。小心者にも呼応する。



[187] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月21日(火)22時18分12秒   通報   返信・引用

     くちばしの尖のあたりが金ぴかりすらむと見れば魚銜へをり   大辻隆弘


嘴の先のあたりが金ぴかりしてそれは魚を銜えている様の鳥ということなのだ。金ぴかり、とは朝の日か、それとも夕陽に当たる銜えた魚だろう。歌の写生表現がわれわれを魅惑させる。



[186] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)14時08分3秒   通報   返信・引用

     翅もつからに波の間を泪のごとく光りつつ飛ぶ   石田比呂志


飛魚の翅をいっている。涙のごとく光りながら飛ぶというのだ。翅がぱたぱた飛ぶのを白いので泪のごとくと形容する、また逃げる場合の追われる悲しさも受けとれる。もの悲しく美しい。



[185] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)13時55分28秒   通報   返信・引用

     吊橋をひとり渡れば向かうよりわが身の重み揺れてもどり来   西山千鶴子


向うからわが身の重みが揺れてくる、がおもしろい見かた。歌は視点により生まれくるものだろうか。この歌の場合、視点が前方にある。



[184] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)13時47分18秒   通報   返信・引用

     死後は一層眠い気がするやどかりをやもりを鳴かせて島はゆふぐれ   光森裕樹


やどかり、やもり、はいかなる鳴きかたか。この死後は作者なのか、それとも、やどかりややもりであろうか。島は夕ぐれという。胸の内にはいるような表現。



[183] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)13時37分16秒   通報   返信・引用

     給食で初めて食べたまめぶ汁人生がまた楽しみになる   松田わこ


まめぶ、とはクルミ入り団子のこと。給食でこんなめずらしいものを食べさせてくれるのですね。食べるということの楽しみは人生において豊かにして重要である。若い歌人の驚き。



[182] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)00時17分40秒   通報   返信・引用

     逸らさずにひとを見つめる眸、それは古き写真にしずもれる井戸   中田明子


これは、ひとを逸らさずに見つめる眸をいっている。それは、古き写真に写るしずもれる井戸というのだ。井戸の水がその眸という。眸はまみ、ともいうがひとにまっすぐに見られると汚れのない心になる。井戸の水は命の水。



[181] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月19日(日)16時30分53秒   通報   返信・引用

     春嵐砂捲く幾日か豆腐売れず寂しく滿つる海を見に来つ   松下竜一


彼は後に作家となったが豆腐をつくっていた。鍋の頃の料理の終る春先は豆腐が売れなかった。寂しく満つる海を見に来たのだ。よく気持の出た歌である。



[180] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月18日(土)18時39分59秒   通報   返信・引用

     断りの手紙書くとき言語野にバベルの塔が立ちておりたり   荒井孝子


この歌はバベルの塔がわからぬでは理解できぬのだが、いろいろとややこしい事が書いてある。すなわち、われわれはいかなる説をとるかで意味が違ってくるのである。この歌、断りの手紙においてその訳はいろいろに考えあぐねていただきたいととれるのだがいかがであろうか。


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