秀歌逍遥・かんぜおん



カテゴリ:[ 短歌/川柳/俳句 ] キーワード: 短歌 俳句


1003件の内、新着の記事から50件ずつ表示します。


[1016] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)14時40分52秒   通報   返信・引用

     一茎の底のちからは泥ふかく根を据ゑ真白き蓮華を支ふ   蒔田さくら子


ひじふかく、読む。当然なる描写で可でもなく不可でもない。いうなれば描写に新しさがないのである。老身鞭打ってわれわれを指導していただきたい。




[1015] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)14時31分47秒   通報   返信・引用

     その未明雪のごとくに月光は降りて来てやがて積もり始めつ   谷岡亜紀


雪のごとくに月光降りてきて、が理解苦しむ。月光は雪のごとく降りるはおかしい。どんな降りかたであろう。作者に聴きたいものである。寒く寂かにだろうか。



[1014] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)14時21分10秒   通報   返信・引用   編集済

     雨に濡れるマウンドはまだ祝福もエースの成長痛も知らない   山田 航


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[1013] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)14時13分38秒   通報   返信・引用

     ただひとつ熟れのこりたる柿の実の木守といふをわれは恋ひしむ   三本松幸紀


なにゆえに木守を恋いしむのだろうか。それをいってくれないと詩を理解できない。多分この作者は都会人であろうと推察するのである。



[1012] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)14時05分31秒   通報   返信・引用   編集済

     夕焼をかくもながむるならひさへ忘れてひさし巷間にゐて   沢田英史


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[1011] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)13時57分12秒   通報   返信・引用   編集済

     みづからが飛べざる高さを空と呼び夕陽のさきへ鳥もゆくのか   光森祐樹


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[1010] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)13時47分27秒   通報   返信・引用

     水溶性まぶたとおもふカーテンに漉されし朝のひかりを受けて   福井和子


水溶性まぶたとはおもしろくわかりにくい。カーテンを漉す朝のひかりとはわからんでもないのだが考えねばならない。ものを見る目に個性が出ているようだ。



[1009] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)13時39分31秒   通報   返信・引用

     あめんぼのゐし水、秋の風すぎて水中伽藍あるがに澄めり   高野公彦


水中伽藍とはおもしろい。伽藍は寺院で想像がふくらむ。秋の風すぎて水澄めりという。あたかも、あめんぼが只管打坐しているようだ。



[1008] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)13時32分37秒   通報   返信・引用

     おほき波ちひさき波のあひだからきこえてゐたりこどものこゑは   小林幸子


まったくあわれな光景である。東北の震災による波にながされる子供の声だろう。この歌は実際に見て歌ったものではなかろう。見ていたならばこのようなありきたりの表現にはならぬだろう。頭の中で考えた姑息な歌である。



[1007] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)13時22分43秒   通報   返信・引用

     むらさきの蛍ぶくろの包めるは逝きし幼児のつひの息かも   三井ゆき


紫の蛍ぶくろは見ず白のものである。このほたるぶくろに包めるものは幼児の息かもという。どんな息であろうか、わかるようでわからない。逝きし幼児の息かもというのだからほんとうに弱いものかもしれない。



[1006] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)13時12分42秒   通報   返信・引用

     どんな死も仕方なくない 枯れながらアフリカゆりの叢立つむこう   佐藤弓生


アフリカゆりなるものをわたしは見たことがない。これが枯れながら立つという。死が仕方なくないというのだからこのゆりの生命力だろうか。実際に見てみたいものである。



[1005] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月24日(金)13時01分54秒   通報   返信・引用

     戌にちなんだ出品歌     犬の花子


            霧雨にうぐひすのこゑなづみつつ花子たはむる藤の実噛みて

            撫でやればわがゆび咬むをたしなめき陸蓮根の花ゆらぎつつ



[1004] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月23日(木)11時41分46秒   通報   返信・引用

     ときどきの句     良秀


                とりどりのステンドグラス春の嘉

                神は愛とて祈るるや春あはく



[1003] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月22日(水)18時26分52秒   通報   返信・引用   編集済

     即吟


           素     素人の句の誉めあひや秋日和

           震     君の名を震へてなぞる秋の空

           緩     山の湯にカピバラつかる寒緩み

           刑     鯨波きて寒声のなか刑処さる

           酔     酔ふて酔ふ蕪村が母よ雪に呼ぶ



[1002] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)11時36分38秒   通報   返信・引用   編集済

     たまさかの歌     小川良秀


              べこと呼びめぐしき娵よ秋陰にわが好みたるけんちんいそしむ

              唐三彩古代びとのざはめきか泪ながれて笑みゆらぎきぬ



[1001] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)11時17分33秒   通報   返信・引用

     一年をへて地のうへにもどりたるシートベルトのままの白骨   佐藤通雅


この死者は湖の底に運転あやまり沈んでいたのであろうか。シートベルトのままの白骨がぎょっとするのである、運転は怖く失敗は許されない。



[1000] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)11時09分10秒   通報   返信・引用

     貴方ものんき私ものんきセシュウムの拡散やまぬ狂気の島に   真鍋正男


たしかに核物質あらば死にも至る。そんな島ならば狂気であろう、日本列島は。のんきに構えていて皆死ぬのである。困った島であろう。



[999] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)10時48分11秒   通報   返信・引用

     空踏みて降り來し浄き肢をもてひばりは立てり陸奥平泉に   三井 修


空踏むとは詩的表現である。浄き肢もしかり。陸奥平泉とはおくゆかしく大きく夢のある物語を暗示させるのである。



[998] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)10時37分57秒   通報   返信・引用

     深々と礼するひとはもうわれを誰とも認知せぬ頭を下げる   林 和清


礼は相手を認知してするのだがこの歌はしないのである。儀礼的なのか呆けているのか、前者であろう。態度がこころともわぬとき人は虚しい。



[997] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)10時30分12秒   通報   返信・引用

     釘の痕わが手になしといふ句あり思ひだして見るたなごころ   橋本喜典


どんな句であろうか、見てみたい。手の釘痕とは痛々しい。そのような過酷はわれになしというのだ。手は食事したりさやったり物をとったりとするよきことの道具であろう。また、たなごころに月が射すかもしれない。



[996] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)10時20分28秒   通報   返信・引用

     懸命に蟻がはこべるやぶれ蛾の無残みてをり生きたかりしよ   一関忠人


これを見てこのようにならぬこと願い生きたいという、ひたすらなる気持であろう。蛾に対する憐れみの情が素直に表現されている。



[995] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)10時12分53秒   通報   返信・引用

     昔日はこはれた笛といふべきか然りほろほろほろほろと吹く   坂井修一


こわれた笛とは悲しい、昔日。そのような日であったのだろう、ほろのリフレインが哀しく心を曳く。簡明ながらよく詩情を讃えているのである。



[994] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)10時05分0秒   通報   返信・引用

     ふるさとの匂いがふっとたちこめて敗戦の日の空のかなしさ   三枝浩樹


敗戦の日とはあわれであり希望の出発である。空にふるさとの匂いがくるとはふるさとが強く思われ平穏の姿に戻ったことを感じさせる。軍部の責任を問いたい。



[993] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月21日(火)00時13分18秒   通報   返信・引用

     ちちははのちゆうねんのこゑしめなははまぐはふ蛇とわれをおどしし   渡辺松男


たしかにしめ縄はまぐわっている蛇に似ている。父母の中年の声というのだ。驚くであろう、意はかくなるものだが考えざるを得ない。



[992] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月20日(月)23時54分28秒   通報   返信・引用

     朝日俳壇



            縄文の姥かたはらに日向ぼこ

            証券街小判撒くかに銀杏散る

            露の世の露を氷らす人もをり

            よく光る所が浅瀬天の川

            芋水車廻るともなく廻りけり

            冬支度土佐の暮しの急くでなく

            大綿の飛べば十日で雪来ると

            木々倒し空廣げし野分かな

            露の世の真つ只中に生きてゐる

            大琵琶の点睛得たり初鴨来

            雲もなく風もなく晴れ朝寒し

            秋の声後ろよりくる山路かな

            凩や樹の無き街は素通りす

            朝霧や下の村より牛の声

            不機嫌を見透かすやうに水澄めり

            霧深し七十といふ秘境かな

            妻死して十年といふ冬用意

            おでん鍋ひとはやっぱり個性だね

            母と見る生まれたてなる後の月

            晩秋やあつさりと癌告知さる

            命日や皿の上なる葡萄狩

            奥山のこれより深山秋時雨

            敗因を考へてゐる夜長かな



[991] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月19日(日)22時30分2秒   通報   返信・引用   編集済

     たまさかの歌  小川良秀


             鎌をもて女教師を追ひてゆく追へる雪野の雪ふりやまず

             烏焉して熱の脳の冷えてゆく上弦の月腰かく少女



[990] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月19日(日)06時34分48秒   通報   返信・引用   編集済

     舞鶴歌会


           母と離るる安寿のやうに哭き果てて花子ねむらずわれもねむらず

                                      花子=犬の名



[989] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月17日(金)17時13分29秒   通報   返信・引用

     岩滝歌会


           かたみして真裸となりちちふさを背ゆいだけば闇に雪ふる


           ふらつきて熱中症かも草に這ふかなちよろ愛しまたふらつく

           古やしろこもれびゆれて空蝉のいだきたる狛寂かなりけり



[988] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月17日(金)10時49分4秒   通報   返信・引用   編集済

     ときどきの句    良秀


               真央ちやんは当代の雛くるくると

               ほがひびとははのまみあふ冬の行

               じゆくしの皮旨しと説諭よめのつら

               かぶりつき熟柿食うべたり尊貴の法

               ワン公も吾もたらふくの熟柿かな

               唇に触るじゆくしの甘さ少女恋ふ

               上弦の月に腰かく少女の恋

               



[987] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月16日(木)15時51分2秒   通報   返信・引用   編集済

     野には萩、ひかりうつすら身にしみて忘れてしまへり七草ふたつ   平岡和代


ひかりうっすらとは美しい、韻がここちよきながれでこれまた美しい。忘れることにより七草を印象づけ目をむけさせてくれる。身にしみる、はわれと七草であろう。



[986] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月16日(木)12時23分46秒   通報   返信・引用   編集済

     ときどきの句   良秀


              べこと呼びめぐしき娵よ秋陰の手

              黄葉はあかるみて濃しちち旅立つ

              ふかむ朱じゆくし食べごろ妥犬欲る

              鼬なき貂の誇りや老いの言

              もみぢしてすがしき堕落入水たり



[985] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月15日(水)06時57分30秒   通報   返信・引用   編集済

      潮騒 投句


             黎明や冬三日月は山脈へ

             鐘を打つ雲衲われに宇治花火

             唐三彩ひかりあふるる秋思かな


         兼題 (鰯雲)

                底なしの泥の眠りや鰯雲

             



[984] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月14日(火)13時47分12秒   通報   返信・引用

     河野裕子短歌賞


           バイト先でピザ焼く吾子をのぞき見つあいつあんなふうに笑うんだなあ

           読みかけの文庫のように連れてって休日の君もっと知りたい

           甲高く気合い轟く道場に竹刀を逃れ飛行する蜂



[983] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月12日(日)19時13分22秒   通報   返信・引用   編集済

      文化祭句会


             鎌振りて女教師を追ふ雪野かな

             井戸覗くひとりの吾に秋ゆらめく

             緊縛師夢にあそぶや冬銀河



[981] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月10日(金)19時13分42秒   通報   返信・引用   編集済

     句     良秀


           目にみえぬ言の葉ありて梅ひらく

           くちづけをしたくなるるや花の芯

           径ゆきて菜種花のはるけき光

           唇触るやしたくなるるは花のしん

           大雅見る花のこころは詢なれる



[980] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月10日(金)01時22分21秒   通報   返信・引用

     朝日俳壇


             法師蝉沖の風より聞えけり

             旅人として故郷の霧に濡れ

             歩くこと楽になりたる白露かな

             木箱より能面一つ秋扇

             青き星松虫草を地に宿す

             一山の風先がけし花芒

             大花野昨日の雨の匂ひして

             海へ海へと流るる水よ曼殊沙華

             落蝉を手のひらにのせ子が泣きぬ

             酒好きと道連れとなる秋遍路

             運動会頑張れ母のにぎりめし

             国境のなき旅寧し渡り鳥

             芋を掘る若き大地の歌きこゆ

             落ち着かぬ地球にありて月仰ぐ

             蛾一匹守宮の口へ消えにけり

             蟋蟀の肉感的な腹囲り

             春愁と別れ秋思とまた出会ふ

             こほろぎの音の世界へ迷ひ込む

             孫抱いて地球儀見つむ彼岸花

             花すすき心に鳥を放ちけり

             笑ふことありしか母の笑む遺影

             雲の峰阿蘇は火の山水の山

             稲の香の颯と乗り込む無人駅

             逝く前に会ひたしと文秋暑し



[979] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月10日(金)00時28分3秒   通報   返信・引用

     朝日俳壇


           髪ぬらすほど大宇陀の星月夜

           流木の下に雑魚ゐて水澄めり

           台風や蝋燭の灯に父と母

           はたはたや子供みたいに笑ひたい

           松茸の傘も広がる日和かな

           夏惜しむかに風鈴の小さく鳴る

           唇のさみしくなれば秋の歌

           ただ生きて敬される老秋思かな

           野に摘みし菊も入れたる菊枕

           一本の稲穂を母へ柩閉ず

           秋刀魚の火荒ぶ昭和の匂ひして

           母訪へば秋灯ひとつ小さくあり

           鎌を研ぐ老人の日の山を見て

           万葉の里染め上げて曼殊沙華

           教会の苦難の歴史秋の風



[978] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 9日(木)16時11分44秒   通報   返信・引用   編集済

     山を劈いて奈落に落ちしははたゝ神奈落を出んとたける音かも   夏目漱石


山をさきて、だがさいての意。阿蘇山である。落ちし、は火口・奈落のことでたどたどしい表現であるが素朴さを感じて悪くはない。



[977] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 9日(木)14時40分48秒   通報   返信・引用

     たなぞこになじむ石斧のなめらかさ胡桃割りたる香りを残す   篠 弘


石斧のなめらかさ、が寒気がするのだがいい方にとっているんだがたなぞこの香りという。ひとつの感情で表し得ないものがあるゆえ理解するのに時間がかかるようである。



[976] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 9日(木)14時30分53秒   通報   返信・引用

     いつか君に来る死の刻をこだちより深き暗闇となりて見ている   田中雅子


彼女はすでに死んでいるのだが、なにか気味悪く親しい友人なのか。早く死んで黄泉の友となりたいといっているようだ。死を願うかのようである。
                   君を愛した深さがふっと消えるとき路上に美しきバスが近付く

                                            田中雅子



[975] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 9日(木)14時12分20秒   通報   返信・引用

     ふくしまのゆふべのそらがかき抱くかなかなのこゑ死者たちのこゑ   本田一弘


まさにそのとうりである。かなかなの声は神霊的で詩的である。半死の苦であろうか、黄泉の死者は。ゆうべがかなしい。



[974] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 9日(木)14時02分46秒   通報   返信・引用

     さぶしとてすきまのあらばどこにでも入らむとするおまへは光   渡辺松男


擬人法でいっているのだが、光をこのように表現すると面白い歌になっている。光があたかも自分のようだ。彼は寂しいのである。



[973] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 9日(木)13時56分7秒   通報   返信・引用

     たえまなきまばたきのごと鉄橋は過ぎつつありて遠き夕映え   高安国世


列車がまばたきのごとよく通っているのだろう。遠き夕映えが美しい。ひとつの軽いやさしい描写なのだが自然体がよろしい。



[972] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 9日(木)13時46分35秒   通報   返信・引用

     ころげよといへば裸の子どもらは波うちぎはをころがるころがる   相馬御風


ころげよ、ころがるころがる、のリフレインが面白い。意味もなく波うちぎわをころがるというのだが、作為があってどうかな、良い方にとりたい。



[971] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 9日(木)07時48分58秒   通報   返信・引用

     朝日俳壇


             小雨にも命ふるはせ秋の蝉

             道元に耳を傾け長き夜を

             汀にて一湖は露のごときとも

             立待の月待つ思ひ子の便り

             猫逝ってしまつてひとり草の花

             十三夜赤子抱けばふのごとし

             捨てられし田に朝露の光りをり

             運不運菜を間引きつつ思ひけり

             新米の五風十雨の光かな

             ふるさとの胸に抱かれ栗拾ふ

             千畳の波よせ崩る大夕焼

             幾筋の径にこぼれ萩

             鳥渡るモヒカン刈りのやうな島

             二千年いのちを繋ぎ蓮は実に

             遠山に雲ととのへて秋彼岸

             水音をくぐもらせゐて葛の花

             虫の音が聞こえぬ耳に秋の風

             無花果の隣に母が笑っている

             心情を語るに足るる居待月

             鉄橋に釣瓶落しの一輛車



[970] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 8日(水)22時56分9秒   通報   返信・引用

     朝日俳壇


           風の色束ね千草の色となる

           柘榴の実庭の主は露人かも

           天空にコスモス揺るる棚田かな

           闇といふ色凄まじき虫の声

           露の世を露のいのちで光りたし

           曼殊沙華群れに入れぬものもゐて

           悲しみは過ぎて知るもの月仰ぐ

           風音を戻して雨後の芒かな

           シスターも負けずに走る運動会

           夕霧をうすくれなゐに染め落暉

           海の上にゆらゆらとあり月の道

           日の陰り色に出でけり鳥兜

           銀杏を拾ふ古刹や共白髪

           留守番に大秋晴の窓があり

           含羞の少年のごと早生みかん

           あきばれやそうじせんたくものわすれ

           吸ひ殻は秋思の残滓庭の朝

           通草にも師の言霊の宿りけり

           秋暑し主なくせし古書の山

           沐浴す牛蒡の灰汁のとれぬまま

           彼方へと水呑みにゆく秋の蝶

           光りつつ飛びゆく命草の絮



[969] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 8日(水)22時14分13秒   通報   返信・引用

     朝日俳壇


            月の出ていよいよ白き姫路城

            ほんのりとお焦げの旨し栗御飯

            秋の灯に秋の灯を足す文机

            金木犀黄金の砂を撒きにけり

            蛇穴に入るを見届けたる安堵

            天高し滅多に上を向かぬ犀

            からつぽの象舎きりん舎ちちろ鳴く

            新涼や触れて冷たき妻の指

            秋ともし色欲の健在を知る

            大鯉のなすことのなき秋日和

            野田岩に馴染みら集ふ落鰻

            新米のおにぎり妻の手にをどる

            神の留守鳥居は石に戻りけり

            烏瓜色に迷ひのなかりけり

            岬から飛び立てさうや鰯雲

            露の世の忘れ去られし兵の墓




           



[968] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 8日(水)08時13分3秒   通報   返信・引用   編集済

  ネット句会   高点句  (2017、11)


          5    身に込むや畳二枚の牢屋跡

          12   搾乳を終へし牛舎に明けの月

          6    鵙鳴くやほどけさうなる舫ひ綱

          5    その中に片恋あらむ虫集く

          8    山の端に雲湧くところ雁渡る

          6    蟷螂の鋭き脚にいくさ傷

          7    石庭の砂紋にひそむ愁思かな

          6    御嶽山の噴煙睨む案山子かな

          5    軒に積む生木の匂ふ暮の秋

          6    秋冷や墨の香りの草書体

          6    社章より高きに挿して愛の羽根

          10   大吟醸月のひかりをなみなみと

          8    暮きつて沖は明るし秋遍路



[967] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 6日(月)17時47分28秒   通報   返信・引用   編集済

     子を十人産みたりなどと凍天に大嘘つけばぼたん雪わらふ   栗木京子


なぜこんな嘘ついたかというと雪ふりつつまる故の大言壮語という。そうかなあ、雪の美しさしかわたしは感じない。まあぎょうぎょうしい嘘ぱちの歌である。貧歌。
 



[966] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年11月 6日(月)17時36分59秒   通報   返信・引用

     雪を食へばしらゆき姫になるといふわが嘘を聴く耳やはらかし   時田則雄


このようなこと幼児でないと信じない。ませてさかしげな子は信じくれないのだが、信じるということはよごれが無いということである。歌人でもひねたものがいるが往々にして歌がよくないようである。


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