秀歌逍遥・かんぜおん



カテゴリ:[ 短歌/川柳/俳句 ] キーワード: 短歌 俳句


192件の内、新着の記事から50件ずつ表示します。


[195] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月23日(木)23時44分54秒   通報   返信・引用

     ねむりより覚めたるわれはエジプトのスフィンクスのこと少し思へり   小池 光


エジプトのスフィンクスは太古の世から座りつづけている。王の墓を抱いて眠るかのようである。作者が眠りより覚めてこれを少し思ったということがおもしろい。ひとつの詩の創作であろう。




[194] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月23日(木)23時32分24秒   通報   返信・引用

     両の手に大根さげて来し人に大根もらひぬ視線が合ひて   中地俊夫


大根をさげて来た人は人のいい田舎の方であろう。視線が合って信頼感が宿りどうぞどうぞというわけだ。素直な人間の感情を見て心がほぐれる。平明、単純の中に非平凡の詩の高さがある。



[193] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月23日(木)22時43分21秒   通報   返信・引用

 句会(2)

      相     相嬉し蓬莱飾踊りだす

      縁     悪縁と叫(おら)びし友や冬に逝く

      多     多分なる愛受けたるや大根膳

      証     証左する紙漉紅葉ほの赤く

      測     測深の光の湖(うみ)やにごり鮒



[192] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月22日(水)17時27分44秒   通報   返信・引用

     人の世のわれを選びてかたわらのざくろはあかき口をあけたり   岡部桂一郎


柘榴はこのようにわれを選ぶことはないのだが、このようにいわれると視点が柘榴にいくのである。あかき口とは、実りの豊穣とそれに嘲笑う口である。前者はとってください、で後者はどやどやの自慢顔だろうか。



[191] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月22日(水)17時16分42秒   通報   返信・引用

     待つことのふえたるわれは待つ人の顔などながめ往来を見る   小高 賢


待つことのふえたわれ、とは老境がしんみりといったところか、自分と同じような人を慰み思い見ているのである。齢とればこのようにこころが広く気長になるのである。一抹の慰めにも似た自己愛だろうか。



[190] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月22日(水)16時52分28秒   通報   返信・引用   編集済

舞鶴歌会
        蓬莱のわれ鬼うたひ口説く妻いつしかわれに豆を放るな   小川良秀


非常にユニークだが、難解。作者の思いを聞きたいとの声。の歌会報告があった。みなさんがよく理解できずとった人は無しであった。岩滝歌会でも難しいであった。舞鶴歌会は今年から入会して、1,2月は雪のため欠席、3月から出席したい。 因みに高得点の歌は、

                誕生日迎へしき降る雪の嵩傘寿の身には傘重々し  5点

                雲の間を見えかくれしてゆりかごに目覚めしごとき夜明けの三日月  4点



[189] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月21日(火)22時39分6秒   通報   返信・引用

     手裏剣と思って避けたひとことが遠ざかるほど鮮やかになる   高松紗都子


その一言は手裏剣のごとく鋭く胸を射る、しばらく経てば、頭よぎるごとくに鮮やかにひらめきおるのだ。なかなかにおもしろく雄弁である。



[188] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月21日(火)22時29分5秒   通報   返信・引用

     ででっぽー眠れんかったんやろお前ぽーぽーぽっぽ小心者や   山下 洋


こんな歌が河野裕子にもあったようだ。その派生の歌だろう。ぽ、の音が五つもある。ぽーはあっぽー(阿呆)によく似ている。小心者にも呼応する。



[187] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月21日(火)22時18分12秒   通報   返信・引用

     くちばしの尖のあたりが金ぴかりすらむと見れば魚銜へをり   大辻隆弘


嘴の先のあたりが金ぴかりしてそれは魚を銜えている様の鳥ということなのだ。金ぴかり、とは朝の日か、それとも夕陽に当たる銜えた魚だろう。歌の写生表現がわれわれを魅惑させる。



[186] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)14時08分3秒   通報   返信・引用

     翅もつからに波の間を泪のごとく光りつつ飛ぶ   石田比呂志


飛魚の翅をいっている。涙のごとく光りながら飛ぶというのだ。翅がぱたぱた飛ぶのを白いので泪のごとくと形容する、また逃げる場合の追われる悲しさも受けとれる。もの悲しく美しい。



[185] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)13時55分28秒   通報   返信・引用

     吊橋をひとり渡れば向かうよりわが身の重み揺れてもどり来   西山千鶴子


向うからわが身の重みが揺れてくる、がおもしろい見かた。歌は視点により生まれくるものだろうか。この歌の場合、視点が前方にある。



[184] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)13時47分18秒   通報   返信・引用

     死後は一層眠い気がするやどかりをやもりを鳴かせて島はゆふぐれ   光森裕樹


やどかり、やもり、はいかなる鳴きかたか。この死後は作者なのか、それとも、やどかりややもりであろうか。島は夕ぐれという。胸の内にはいるような表現。



[183] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)13時37分16秒   通報   返信・引用

     給食で初めて食べたまめぶ汁人生がまた楽しみになる   松田わこ


まめぶ、とはクルミ入り団子のこと。給食でこんなめずらしいものを食べさせてくれるのですね。食べるということの楽しみは人生において豊かにして重要である。若い歌人の驚き。



[182] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月20日(月)00時17分40秒   通報   返信・引用

     逸らさずにひとを見つめる眸、それは古き写真にしずもれる井戸   中田明子


これは、ひとを逸らさずに見つめる眸をいっている。それは、古き写真に写るしずもれる井戸というのだ。井戸の水がその眸という。眸はまみ、ともいうがひとにまっすぐに見られると汚れのない心になる。井戸の水は命の水。



[181] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月19日(日)16時30分53秒   通報   返信・引用

     春嵐砂捲く幾日か豆腐売れず寂しく滿つる海を見に来つ   松下竜一


彼は後に作家となったが豆腐をつくっていた。鍋の頃の料理の終る春先は豆腐が売れなかった。寂しく満つる海を見に来たのだ。よく気持の出た歌である。



[180] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月18日(土)18時39分59秒   通報   返信・引用

     断りの手紙書くとき言語野にバベルの塔が立ちておりたり   荒井孝子


この歌はバベルの塔がわからぬでは理解できぬのだが、いろいろとややこしい事が書いてある。すなわち、われわれはいかなる説をとるかで意味が違ってくるのである。この歌、断りの手紙においてその訳はいろいろに考えあぐねていただきたいととれるのだがいかがであろうか。



[179] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月18日(土)18時13分3秒   通報   返信・引用

     それぞれのイオンモールをねむらせて衛星都市におとずれる月   安田 茜


イオンモールとはショピングセンターのこと。衛星都市とは大都市の巡りにある都市である。イオンモール、衛星都市の新しい言葉に悠久の月が射すのである。素材が現代的で月と呼応している。



[178] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月18日(土)18時02分41秒   通報   返信・引用

     その頬に手触れるまでの歳月を弥勒菩薩は微笑みており   関根裕之


頬と手がすこし離れる姿の弥勒菩薩は京都の映画村ちかくの寺にいます。弥勒菩薩は大衆を助けたまう。この歌は頬と手が触れたまうまでの歳月を、永遠に、微笑みておられるというのだ。微妙な観察により詩になしえたのである。



[177] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月18日(土)00時47分42秒   通報   返信・引用

     はろばろ黄泉より母の来ませしか朱淡き山茶花に母の面影   豊田純子


       はろばろと黄泉より来ませたらちねやくれなゐあはく山茶花咲きて



[176] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月17日(金)18時46分23秒   通報   返信・引用

    岩滝歌会

     題  節句

         蓬莱のわれ鬼うたひ口説く妻いつしかわれに豆を放るな



        獄卒の運気を刎ねよと呵責する夢覚めてこの世、桃色吐息

        七宝のひとつやさしき彩の珊瑚なり妻となるきみの指に荘らん



[175] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月17日(金)00時22分15秒   通報   返信・引用

     昨日の敵は今日も敵にて慇懃に「ごきげんよう」と言いて別れ来   久々湊盈子


昨日も今日も敵という、いんぎんにごきげんようといって別れてきたという。何故に敵となるのか、なにかの競争相手なのか。いずれにしても敵なのである。うわべだけ人間的に接し心の内は青鬼のごとく執念深い火を燃やすのである。男でもそうであるが女はなおさら怖いであろう。



[174] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月16日(木)00時31分58秒   通報   返信・引用   編集済

   句会(1)

             橋立や左顧と右眄のしぐれわだ

             鮟鱇と睨めっこして嬰は泣き

             孫の来て蓬莱飾踊りだす

             鼕鼕や闇に水仙華ひらく

             初雪や舳艫相銜める最上川



[173] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)12時02分57秒   通報   返信・引用

     順ふといふ快楽おもふかな幹をつたひて雨流れ落つ   栗木京子


したがふといふ、と読み雨が幹をながれ落つ快楽をいう。うながえばそうであるしそうでもない快楽である。このような状況を作者はいっているようだ。したがう、も懐疑的である。詩の深読みから出たものか。



[172] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)11時51分28秒   通報   返信・引用

     紅あはく花は乾きて揺らぐなき薔薇は影おく夜の机に   大河原惇行


これも一つの写生か、ひとつの薔薇の写生歌である。写生は結構なのだがそれからの進展すべき詩がもとめられる。ただ揺らぐことない薔薇の影ではもの足りない。詩が些少あるならば紅淡く乾き、生命の衰えだろうか。



[171] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)11時32分2秒   通報   返信・引用

     捨ててきた「もし」の種から咲く花はあんなにきれいで見てはいけない   沼尻つた子


この種子からもしや美しい花が咲くかも・・・それを捨ててきた、というのである。その美しい花を見たならばその後悔はいつまでも、というのだ。なかなかに上手い歌。



[170] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)11時07分6秒   通報   返信・引用

     春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ   前川佐美雄


思(も)へ、と読む。調べよく簡明な世界がある。大和の奥深い自然と歴史がたゆとうている。なにも見えねば、といって歴史へ目をいざなうのである。



[169] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)10時55分3秒   通報   返信・引用

     酔うたまま眠りしひとの頬を舐め麒麟はラベルへと戻りたり   沼尻つた子


酔うたまま眠るひとの夢はどんなものか、その頬を舐めて貼ってあった瓶に戻る麒麟、きりんは想像上の動物で夢のようで楽しい詩である。佳作。



[168] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)10時42分50秒   通報   返信・引用

     夕風は猥りがましく草木ふるわせ楽暉は草木を犯す   北岡 晃


夕風は夜の猥りを予感してたのしくかがやくのは草木を犯すというのだ。草木のリフレインは犯すまで進展する。なかなか理知的な詩の構成である。みだりがましく、らくき、の言葉がよい。



[167] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)00時26分34秒   通報   返信・引用

     ぜんまいがしだいに解けシンバルを叩く猿の手止まるかなしさ   後藤裕子


たしかにこんなシーンを見ることがある。ぜんまいがしだいに解け、が平凡ながらよい。かなしさ、はひらがなで表記しているのだが・・・悲しさ、愛(かな)しさ、の二つの意味があろう。



[166] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)00時15分44秒   通報   返信・引用

     ひとりゐる夜の更け部屋の床に這ふ蜚簾ひとつ殺さずにおく   安達正博


とぶすだれ、と書いてごきぶり。そのごきぶり一匹殺さずにおくというのだ。なにか、自分の仲間のようになって仲良くしているらしい、普通は殺すのだが。変わったお人である。



[165] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月15日(水)00時02分27秒   通報   返信・引用

     標本のやうな頭蓋が落ちてゐる。狸と思う、藪に蹴り込む   大室ゆらぎ


この文章が魅する、。、が歌の中に。標本で見たような頭蓋骨という。狸と思って藪に蹴り込んだのだがあざやかな語りがありおもしろいのである。



[164] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月14日(火)17時53分34秒   通報   返信・引用

     そこに汝はゐたのであつたスカートの模様となりてひそみて守宮   吉田京子


結句の 模様となりてひそみて守宮 が良い。 スカートの守宮の模様とは変わっている。こんなスカートをはく女の子も変わっている。守宮が男の虫がつかぬように守っていたのかもしれない。



[163] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月14日(火)17時44分3秒   通報   返信・引用

     したような気がするこんな口づけをパックの牛乳流し込むとき   太田 愛


パックの牛乳を飲むとき唇にパックの堅紙があたり痛いような感覚である。これはお互いに不慣れなキス行為である。いまだキスが上手くないのである。初心なくちづけで笑みが出てくる。



[162] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月13日(月)17時23分49秒   通報   返信・引用

     肉欲を 越えた恋こそ愉しけれ それが美し戯れ   安東瑠璃


肉欲を越えた恋は愉し、といわれるのだがわたしなどちっとも楽しくはない。そがくわし戯れとおっしゃられるのだが何も美しいとは思わぬ。作者は本当に恋などしたのだろうか。わたしの恋は17のころ毎日が苦しくしみ出てくるような喜びがあった。



[161] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月13日(月)17時11分38秒   通報   返信・引用

     たつた一人の母狂はせし夕ぐれをきらきら光る山から飛べリ   前川佐三雄


母を何ゆえに狂わせたのか、きらきら光る夕ぐれの山は分かるのだがそこから飛びおりたのは、心象的な詩の遊びなのか。われわれはなにをいってもかまわんが虚言はいただけない。それゆえに、名歌といいずらい。



[160] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月13日(月)13時02分21秒   通報   返信・引用

     この丘の海にむかへる松はみなみどりひらきて夏たけにけり   岡本かの子


海の丘とは海の風がありさわやかで洋々とした視界がある。松はみな緑、夏闌けるという。まさにそのとうりで頷くばかりである。下手な飾りをしない歌に非凡がある。



[159] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月13日(月)12時40分13秒   通報   返信・引用

     伊那谷の底に白き川はあり吾を産む前の母を泳がす   沼尻つた子


わたしは若い歌人の歌をとりあげているのは、塔 短歌人 がほとんどである。コスモス かりん かばん 心の花 といろいろにあるので視野を広げてみたいと考えている。この沼尻氏の歌は前に1首とりあげている。

いなだにのそこいに、と読む。一目みてセンスの良さに惹かれる才能がある。歌は初期のころでしだいに本物の歌をつくられると思う。わたしの願いは歌の芸術家になられんことを祈る。母を泳がす、の結句がわれわれに教えるものを指す。



[158] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月12日(日)23時35分25秒   通報   返信・引用

     影重という名の町に住んでいた海風が吹く孤児たちの町   鳥居


かげしげ、という町・・・重なる影という名の町、なにか陰湿で光がないような町。それを吹き消すような海風の町に孤児が住むというのだ、重い気持が纏いつくようだ。



[157] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月12日(日)23時16分52秒   通報   返信・引用

     蜘蛛のゐる浴室に朝の沐浴せり。窓のひかりに湯気は耀く   高島 裕


ゆあみせり、と読む。浴室に蜘蛛がいるのは気分的に自然的である。朝のゆあみは豊かな時間、湯気がかがやくひかりのなかの心身ののびやかさ。



[156] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月12日(日)22時50分14秒   通報   返信・引用

     坂の上に湧く白き雲 いまはただその雲めざし車椅子押す   桑原正紀


この車椅子に座っているのは妻。坂の上に湧く雲は苦しい中の光であろうか、光を求めるように妻の車椅子を坂に押すのである。雲は自由に飛んでゆく。



[155] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月12日(日)22時36分1秒   通報   返信・引用

     どんぐりを集めている子並べる子中を見たい子なげてみたい子   俵 万智


四人の子それぞれに関心をしめすどんぐりのこと。中を見たい子とは食べてみたい子だろうか。やさしい表現で軽い歌ながら子の本質を問うている。



[154] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月12日(日)22時19分59秒   通報   返信・引用

     雑踏に詩を売る男ありてなき遊撃として真冬の驟雨   藤原龍一郎


ありて、なき遊撃か、雑踏に詩を売る男とはあまり見かけぬ。真冬の驟雨は冷たかろう。その詩を見たいものである。



[153] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月12日(日)19時48分24秒   通報   返信・引用   編集済

     神坐さぬ杜をめぐりてひとすぢの銀河は流る海在る方へ   内藤 明


神まさぬ杜とは神が鎮座されておらぬということか。神はひとすじの銀河となって海へ遊行されるのだ、おおらかなる海の界よ。







[152] 秀歌逍遥(1024)

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月11日(土)23時46分9秒   通報   返信・引用

     ロシアリスの毛皮のコート羽織るたび小さな声が背なにそよめく   久々湊盈子


 哲順・・・
小さな声とは囁きであろうか。

 宗心・・・
そよめく、とはそよ風のように泣くのか、語るのか。



[151] 秀歌逍遥(1023)

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月11日(土)23時32分48秒   通報   返信・引用

     夕空を大群の椋鳥覆いたり空に犇く眼のおそろしさ   渡辺松男


 和尚・・・
むく、ひしめく、と読む。ひしめく眼のおそろしさ・・・実際にはこのように見えないが感ずるところ、念うところであろう。



[150] 秀歌逍遥(1022)

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月11日(土)23時21分13秒   通報   返信・引用

     幾度か薄雪草は咲きかはれふくろふの声聞くこともなし   木嶋靖生


 哲順・・・
咲きかはり、でなく咲きかはれ このいいかたが趣きがある。

 宗心・・・
薄雪草なるものがわたしは知らないのだが興味がそそる。ふくろうの声がよい。



[149] 秀歌逍遥(1021)

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月11日(土)23時10分4秒   通報   返信・引用

     鮟鱇鍋つつきながらに大年増らの色恋談義は佳境に入るらし   島田修三


 和尚・・・
鮟鱇鍋、大年増、色恋談義が雰囲気をつくっている。まさに佳境ならば聞いてみたいものである。



[148] 秀歌逍遥(1020)

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月10日(金)13時51分46秒   通報   返信・引用

     無くなりて優しきものは冬の朝の路傍の焚火、火に集ふ人   高野公彦


 哲順・・・
路傍の焚火・・・なくなり優しきもの。 わからんでもない。

 宗心・・・
それに集う人・・・よくわかります、焚火をかこむ人のあたたかさ、笑い・・・火の力は大きい。



[147] 秀歌逍遥(1019)

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月10日(金)13時41分27秒   通報   返信・引用

     耳たぶの寒き霜月けふわれに侵入したるもの何ならむ   栗木京子


 和尚・・・
彼女の歌にしては素直な歌。このような歌があるなら深い歌も生まれ来ようか。あまり歌は深読みをやめたまえと霜の神がささやいたのさ。



[146] 秀歌逍遥(1018)

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 2月10日(金)13時32分21秒   通報   返信・引用

     霜ふりてみどり薄るる庭芝のいろはにほへと朝の日は差す   武田弘之


 和尚・・・
いろはにほへと、をうまくつかっておもしろい。朝の日の差しくるを喜ぶ作者の遊び。


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