秀歌逍遥・かんぜおん



カテゴリ:[ 短歌/川柳/俳句 ] キーワード: 短歌 俳句


616件の内、新着の記事から50件ずつ表示します。


[625] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月24日(月)11時33分43秒   通報   返信・引用

   インターネット句会

 (3)     数字はとった人の数

            5   父の名の表札残る黴の家

            6   大利根となるとは知らず滴りぬ

            6   遠雷や畳の上に子の日記

            5   宵の駅西に東に遠花火

            7   国訛り生涯抜けず修司の忌

            6   でで虫に多少の野心大手門

            5   荷車の牛の尾ゆれて麦の秋

            6   ここよりは呼び名の変わる鮎の川

            5   嫁ぐ子を見送る港枇杷熟るる

            5   ぶきつちよで悪うござんす冷奴

            7   初恋の人の会釈や里祭

            7   昼寝の児万歳の手に未来あり

            6   夕焼のかけら散らばる水たまり




[624] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月24日(月)10時54分16秒   通報   返信・引用

     西日さす夕べの田植見つつゆくわれ輝きのいぶきに濡れて   板宮清治


朝日でなく西日がよい。この稲は夜を経て朝日むかえる、そは輝きの息吹であり生育の濡れる滴りである。簡明ながら詩が成熟している。



[623] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月24日(月)10時43分28秒   通報   返信・引用

     西瓜畑に西瓜太りて逃げられぬこの世のあおい天上が見ゆ   小島なを


もっともらしい歌なのだが内容がなく凡歌である。彼女に本物の歌を創る萌しがこころないのだろうか。鳥居の歌を見てみなさいといっても所詮無理なのだろうか、誰か歌を教えるものはいないのか。



[622] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月24日(月)10時30分52秒   通報   返信・引用

     死ぬ日まで素数のよはひ幾たびを重ねむ 額あぢさゐのつぶつぶ   近藤かすみ


二で割れない素数のような人生を多く重ねん、といわれる。それははっきりしない名答のない生き方であろう。そもそも人生はそのようなものだ。額あぢさゐのつぶつぶが少しずつ花咲けばそれで幸せなのだ。



[620] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月22日(土)12時54分42秒   通報   返信・引用

     愛猫の口づけをして起こしにくる未亡人われに男はおらず   竹花サラ


そんな猫、は猫にかわる愛まみれの男が欲しいのだろう。よく分かります、未亡人さんよ。週刊誌なんかに出てくるようなサラさん、いかがしたものか。ひとつ、尼として出家しなさい。寂聴のように。



[619] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月22日(土)12時45分8秒   通報   返信・引用

     さかり猫の声に必死で気を逸らし正気で乳児の遺体を洗う   佐藤涼子


まさに震災にあわねばこのような歌はつくれないだろう。真実を歌う凄さを読者は知るのである。この乳児はわが子であろうか。さかり猫は創作なのか。いずれにしても天は情け容赦せぬ。



[618] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月22日(土)12時34分57秒   通報   返信・引用   編集済

     ゆふぐれはあなたのなかに沈みゆくとほき国だと気づいてしまふ   小田桐 夕


しづみゆくとほき国、あなたのなかに、なのだが。多分、夜にあなたと同一になって女の幸せを噛みしめるのだと思う。気づいてしまう、とはどういうことなの。当然じゃないの。とほき国だから、幸せはないかもしれない。異国のような国なのか。ひとつの少女の感傷歌みたいだ。



[617] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月22日(土)12時22分11秒   通報   返信・引用

     瀬戸夏子さんの『かわいい海とかわいくない海end』   斉藤齋藤


くだらん歌の歌人の登場である。よくあきもせずくだらん歌をつくってると感心するのだがこの作者は大真面目なのである。かわいくない海とは水死したりサメに食われたりであろう。かわいい海とは家族がはしゃぐ海かな。それが終わってendということさ、まったくくだらんさいとう君の歌。この歌はくだらんさいとうくんを知って欲しいのだ、end。     



[616] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月22日(土)11時56分0秒   通報   返信・引用

     夜道には不思議なものが落ちていてふまれたがりのアンパンひとつ   山田恵子


ふまれたがり、は断定の詩。不思議も同じだろう。アンパンは美しい女性の唇に挟まれ食べてもらいたかったと思うも断定である。ユーモアのある歌。



[615] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月21日(金)19時00分33秒   通報   返信・引用

  岩滝歌会

        不具ゆゑに妻なく家は絶へむとす鬼灯あかく憐れびのあり


          いづくなる神の悠久あらしめてふかき江のいろ舟屋しづまる

          疑懼ひとつもたげくるなり蛇の舌こもれびゆるる穴にもだして


          



[614] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月20日(木)12時30分45秒   通報   返信・引用

     生い繁るかぼちゃは海の波に似て畑から道に押し出してくる   岡崎五郎


南瓜の繁る勢いを海の波というところが愛らしい。こんなかぼちゃ、田舎にわたしはいるが見たことがない。わが家の今年のかぼちゃはひとつの茎に一つのかぼちゃしか生らなかった。



[613] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月20日(木)12時20分55秒   通報   返信・引用

     爪磨きするやうな男好きちやうとあの日牧子ちやんはたしかに言ひたり   青馬ゆず


たしかに言ったことを聞いたのは誰か、多分、爪磨きするボクちゃんであろう。好きな牧子ちゃんに好きと言ってもらいたいなら爪磨きをよそう、でもな、ほんなこつより立派なボクちゃんになったらどう。



[612] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月20日(木)12時07分1秒   通報   返信・引用

     まちかねて春の田んぼのあぜに立ち銀のよもぎのひかるのを摘む   高原さやか


田んぼの畔にはよもぎはあまり生えていないだろう、作者は都会人か。銀のよもぎのひかるのを、をよもぎは銀とひかるを、にしたらどうか。

        まちかねて春の畑の畔に立つよもぎは銀とひかるを摘みたり



[611] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月20日(木)11時51分48秒   通報   返信・引用

     抱きしめた膝と春風だけがある吐きたいくらいまぶしい真昼   頬骨


膝抱きしめるは相当な感情である。そこに春風、しかしながら眩しく吐きたい真昼なのだ。男にふられた、女にふられた、生き物であろうか。吐きたいとは絶叫に近い。



[610] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月20日(木)11時42分8秒   通報   返信・引用

     誰も悼まぬ君の孤独死遠くよりしみじみ思う春宵ひとり   榊原トシ子


誰も悼まないとはさびしさがつのる、孤独死。春宵は作者を泣きなづみさせる。知り合いなのか、ゆえあって別れた君なのか、思いは揺蕩うのである。



[609] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月20日(木)11時32分58秒   通報   返信・引用

     貝殻のなかの螺旋に腰掛けて聴いているよう灯りちいさし   藤田千鶴


なにか夢のあるような詩である。貝殻の螺旋、腰掛け聴く、小さな灯、と童話の世界に漂っているようだ。そんな灯を求める作者がいる、これもひとつの夢。



[608] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月20日(木)11時23分40秒   通報   返信・引用

     わたしを隠して影をなす屁 こうやってあなたに触れている   大平千賀


わたしを隠して影なす屁、がいい。屁はわたしを影として隠しているというのだ。このような屁の論考を初めて聴いた。こうやってあなたと触れている、も然りと頷く。わたしなどの夫婦は音を洩らしたら、そうなのね、の程度である。



[607] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月19日(水)17時07分13秒   通報   返信・引用   編集済

   すゞ句会

わたしは即吟とそうでない句会に行っている。すず句会はわたしが育ててもらった句会である。最近、厳しくなりひとつとしてとってもらえないから分かりやすい秀句をこころがけているのだがこれも厳しい。皆は好みで良い句をとるようだ。しかしながら、断ずるにこのような皆に受けるものは駄目で自分の信ずる句をつくるべきと悟ったのである。点とり句は駄目なのである。

          藪入りの沓形織部煮もの旨い

何のこっちゃ、のお言葉。旨いまで言わんこっちゃ、煮ものかな、でよろしい。


           貧妻のひよこのゼリーの冷菓かな

貧妻など、もってのほか。愛妻、良妻ならばいい。妻のことを貧妻と呼ぶとは、の叱責である。お婆は怖い。



[606] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月18日(火)17時10分9秒   通報   返信・引用   編集済

     盗みたる南瓜だかへて逃げんとす猿のあはれは眸合はすとき   小川良秀


これは実際にあった事である。小屋の中に入って猿は南瓜を両手に抱きてまさに逃げんとする。猿の目と人間の目が合うとき、なんともいえぬ目の表情となる。困ったような童心のような懼れのような猿の目、わたしは、可笑しみと怒り憐れむような目をする。眸(まみ)、読む。



[605] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月18日(火)11時30分35秒   通報   返信・引用   編集済

     少女らの歩きしのちのさざめきのごとく落ちたる花椿かな   魚谷真梨子


さざめき、は明るい感じ。落ちたる花椿は悲しく暗い感じ。屈折した思いにとらわれる。これが、ちぐはぐなのか詩のふかみなのか、意見が分かれるかも。わたしは前者をとる。

       少女(おとめ)らは歩みさざめき行きたればはつかに落ちる花椿かな



[604] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月18日(火)11時08分2秒   通報   返信・引用

     餌まけば雉の親子のしのび来て峡に五月の風ふきわたる   土居昭子


婦人公論・栗木京子選の歌。餌は雉の親子が来るであろうと撒いたのだろう。五月の風ふきわたる、がすこし強い。
      餌まけば雉の親子のしのびきて峡に五月の風の生(あ)れつつ



[603] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月18日(火)10時55分13秒   通報   返信・引用

     月光が夜ごと太らせゆくという燕麦の粒てのひらに受く   佐伯裕子


月光が夜ごと太らせゆく、という断定は詩であろう。燕麦の粒てのひらに受く、は劇場的表白といえる。そのように見る詩人がいるということだ。



[602] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月18日(火)09時46分2秒   通報   返信・引用   編集済

   インターネット句会

 (2) 高点句  数字はとった人の数

        6   青柿や土蔵の錠のどつしりと

        8   水族館空から海月舞ひ降りる

        5   花散って全村寡黙の日々となる

        5   白壁の蔵に家紋や枇杷熟るる

        6   朝市や花がらつけて胡瓜売る

        5   竿一つ糸一筋や夏帽子

        9   欝の字は二十九画梅雨に入る

        7   青葉風こけしの眉の動きたる

        8   字を割つて暖簾くぐるや鮎の宿

        6   陽炎や坂の向こうは県境

        6   姿見に気分も映る更衣

        6   何もせぬ罪もありけり浮いて来い

        5   火の国の大地鎮めて夏銀河



[601] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月17日(月)11時57分52秒   通報   返信・引用

   舞鶴歌会

         いづくなる神の悠久あらしめてふかき江のいろ舟屋しづまる


舟屋月虹、の出始めの歌で今、600首できているというと驚きの声があがる。後は終章の100首ぐらいで完結したい、現在、休息して歌を練っている。



[600] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月17日(月)11時42分4秒   通報   返信・引用   編集済

   インターネット句会

この句会に参加することに決め今月三句出した。

                ふふどりやちちふさ抱けば星の夜

                疑懼ひとつもたげくるかな蛇の舌

                乱壊婆娑かぜの幽玄夕さくら

(1)この句会での高得点句を見たい。  句の前の数はとった人の数。

          12  あくびの子春の夕べを飲み込まん

          7   いぬふぐり銀河の果てのひとしずく

          16  かかえれば筍どこか獣めく

          8   囀をひねもす浴びて寺普請

          5   シャキシャキと水菜切る音雨あがる

          7   ふる里の風たしかめて初燕

          7   一杓を仏と分けて甘茶かな

          5   花に明け花に暮れたる吉野かな

          5   佐保姫が撫でて目覚める野山かな

          5   散る桜ひとひらづつに夕日浴ぶ

          7   車座を外れて下戸の桜餅

          5   春灯に置きし指輪の音さやか

          9   千枚の代田に能登の夕陽あり

          9   足跡の中に足跡潮干狩

          7   微笑みも介護のひとつ春の昼

          8   母の日も分からぬ母の髪を梳く

          5   沐浴の赤子ゆらゆら花杏

          5   珈琲の香もやはらかき花の雨



[599] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月16日(日)08時23分36秒   通報   返信・引用

          首塚や遠雷ありて一閃す   良秀


この句は塚の字での即吟である。季語の遠雷が良しと誉められたのである。詩もそれなりのものらしい。これは句の基礎がまあまあでこれからの創造が大切である。



[598] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月15日(土)18時25分55秒   通報   返信・引用

     身の裡にかへるおもひの木下闇ものの芽立ちのにほひたつとき   柘植周子


芽立ちにおいたつ時・・・木下闇・・・・身の裡にかえるおもい、となるのであるが。もうすこし、作者しか分からぬものがある。身の裡にかえる思いとは何か。難解なことをいわれるのだ。



[597] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月15日(土)17時12分8秒   通報   返信・引用

     春宵のうすくれなゐの花びらにこの世に光る雨つぶの見ゆ   青輝 翼


春の宵に花のうすくれないは見えるだろうか、やや疑問が残るが。この世に光る雨つぶも疑わしい。この問題はさておき、事実ならば調べがあって表現すばらしい。歌詠むとき対象をよく見る目があらねばならぬ。



[596] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月14日(金)10時48分30秒   通報   返信・引用

     盗まうとすれば盗める長ネギの箱あり朝の蕎麦屋の前に   大松達知


彼は教師、教師でも盗みの心理がもたげることがあるのである。してはならないことはせず、が君子で人間ができているのであるが、猿はこれを制することができない。教室の教壇で女学生の皆が見てるのに性行為せんとした外人教師の話があったのだが、大松先生や、なさらぬように、葱盗も。



[595] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月14日(金)10時32分51秒   通報   返信・引用

     野良猫が片足上ぐるよき高さ春のキャベツは大きく開く   長谷川愛子


片足あぐる高さがなんとも愛らしく微笑ましい。春だから、作物のできる喜びも受けとれる。まことに健康的な歌である。陰気暗の歌人どもよ、目を開け。



[594] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月14日(金)10時24分48秒   通報   返信・引用   編集済

     昔ならすべなく逝きしわが病ひ治りますよと主治医のたまふ   竹浦道子


医術がすすみ治る病も多くなったようだ。あの医者は産辱熱で多くの産婦を殺したなど聞く。助かるならば嬉しく安心である。助かる、助からない、では患者は大いに違う。前者ならば病に勝つ心がもたげる。



[593] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月14日(金)10時13分1秒   通報   返信・引用

     ひと冬をわが床下に仮寓せしイタチ君けふ去にけらしも   竹下奈々子


イタチ君とねんごろにしたのだね、ひと冬。詩の構成よく、微笑みあり、たしかな表現にベテランの歌人の重さを感じた。最後の、去(い)にけらしも、に味わいがある。



[592] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月13日(木)09時41分27秒   通報   返信・引用

     西日さす夕べの田植見つつゆくわれ輝きのいぶきに濡れて   板宮清治


田植は夕べの西日さすまでやっている、たしかにそれは労働のかがやきであり息吹なのだ。濡れる、という表現が味がある。



[591] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月13日(木)09時33分11秒   通報   返信・引用

     恋猫の声しづまりし宵早く遠くおらぶは狐なるらし   石川不二子


恋猫は一日中啼いていたのだろうか、宵おとずれ遠くで啼く狐、田舎の暮らしに動物が入る。わたしは曙のころ二階から狐が森へ帰ってゆくのを見たことがある。



[590] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月13日(木)09時19分47秒   通報   返信・引用

     ひるがへり、またひるがへり燕飛ぶ朝の通を駅へといそぐ   安田純生


燕来る頃だろうか、朝の駅へといそぐのは出勤だろうか。ひるがえり、ひるがえり、は朝の生活の元気の気構えである。詩が健全であるのがよい。



[589] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月12日(水)10時54分24秒   通報   返信・引用

          かわたれ雉子の距の濡れにけり  良秀


雉子のけづめの、読む。濡れる、は雌雄が蹴りあう愛である。足は前に三本の爪があり背後のすこし上にけづめが一つある。原句は、
              かわたれに雉子の距の濡れにけり

であったのが、かわたれに、のにをとっている、すなわち、添削してある。わたしは全く驚いた。原句は、に、が二つある。思いもかけぬ目である。これによって句らしくなり句が生きているのである。句の先輩の力を見たのである。ありがたいことである。



[588] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月12日(水)10時28分16秒   通報   返信・引用

     あるとなき風を立たせてさくら道聡き花びら流らうるかな   武川忠一


あるかなきかの風とはほとんど風がないのだろう。聡き花びら、とはわが思いのごとくに散りながれてゆく花びらであろう。歌のしらべが散り流れる花びらのようである。



[587] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月12日(水)10時16分41秒   通報   返信・引用

     桃の濃さ桜の淡さ甲州に月さすまでは待たで帰りき   今野寿実


桃の実の濃さに桜の淡さに月射すのを待たずして甲州を去ったという。残念であろう、詩の余韻のごとくある甲州は憧れと変わるであろう。



[586] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月12日(水)10時06分52秒   通報   返信・引用

     歌麿の嘆き知らねば春の水 浅葱に濡れるわが思いかな   福島泰樹


歌麿の嘆きとは何か。絵のことか、女のことか、老耄のことか。嘆き知らねば春の水という、わが思いは水色濡れる思いと歌う。ややこしいこころである。



[585] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月12日(水)09時55分39秒   通報   返信・引用

     うつつなき春としいはむこの朝の道路にしきり花びらの飛ぶ   石川恭子


うつつ、とは現身。うつつなき春とは思いのない春であろうか。花散りしくは思いあらぬ花の姿である。まして朝には。



[584] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月12日(水)09時44分27秒   通報   返信・引用

     よしきりも雲雀も鳴かぬ川となりほとりを行けば水もにほはず   宮地伸一


よしきりに雲雀が鳴かぬ川とはいかなる川であろうか。川の工事による壊れる自然、そこには自然の生命はないのだ。水におう、とはかぎりない光があふれているのだ。



[583] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月12日(水)09時34分39秒   通報   返信・引用

     流れ去る時のまにまに今年逢うふ雨夜のさくら月夜のさくら   尾崎左永子


時ながれるまにまに逢う桜を歌う。雨夜のさくら、花散る思いがしてかなしい。かなしい、は悲しいと愛(かな)しいがある。月夜の桜、桜に月光が射す趣き。われわれを詩人にさせる。



[582] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月11日(火)19時08分31秒   通報   返信・引用

     咲くとは世にふるることつつみ来し桃の蕾はうちらをさらす   玉井清弘


咲く、ひらく 触れること 包みきし うちら、内面  ひとつの表現としてとりたいのだがいってることが内容浅いと判ずる。



[581] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月11日(火)18時58分48秒   通報   返信・引用

     椿見ぬ春はさみしき うすくうすく紅さし死ののちも日本人   小島ゆかり


椿、うすくうすく紅(べに)さし、  というのだが椿はどっちかというと濃い紅である。作者は椿をよく見ていないのでは。死ののちも日本人、というのだが意味不明で死の前でも日本人ではないのか。



[580] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月11日(火)18時48分56秒   通報   返信・引用   編集済

     月光菩薩が胸はだけますまひるまのくらやみをわれは視姦せり   塚本邦雄


しかん、とは目で犯すことか。もっともらしい言いぐさである。男ならそういうこともあろうけれど、相手は仏であるのでしかんとはいかがなものか。多分劇場型の誇張でいったものととるのだが一面阿呆らしいの思いもいっておこう。



[579] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月11日(火)18時35分57秒   通報   返信・引用

     かたくりは含羞の花うつむきて深山隠りの土ひくく咲く   桑原正紀


深山隠り、みやまがくり、読む。かたくりの花は可憐でうつむき咲くは含羞とは然り。みやまがくりの土とは穿った表現である。色も愛らしい。



[578] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月11日(火)14時20分19秒   通報   返信・引用   編集済

          山繭の捨蚕は水にひかり居り   良秀


浅い緑色の山繭の繭から糸をとり捨蚕ができる。その捨蚕は桶の水にあるから水に光っているのである。ひとつの生命のうつりゆきである。捨蚕はすてご。



[577] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月11日(火)14時06分24秒   通報   返信・引用

          雉子の眸のかうかうとして売られけり  楸邨


なんとも魅了させる句である。的確に人の心を射抜いているのである。眼前にありありと浮かぶ雉子の眼にわれわれは詩を恐懼のように受け入れるのである。



[576] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月11日(火)06時00分30秒   通報   返信・引用

          ウバユリの種がこぼれて犬の家  良秀


どうもわたしの句は難しいらしい。理解されず、賞とることがならずの感がある。平明でよくわかり句として秀句なのが人はとるのである。ということで、こんな句をつくってみた。わたしは、正直いってウバユリを知らなかった。品のある花で優美である。



[575] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 7月 9日(日)09時44分55秒   通報   返信・引用

          多情にてわが生は眩しサルビアよ   良秀


たじょうにてわがよはくらしサルビアよ  推敲してこのようになった。句はいろいろと変わるものだと喜び驚く。


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