秀歌逍遥・かんぜおん



カテゴリ:[ 短歌/川柳/俳句 ] キーワード: 短歌 俳句


314件の内、新着の記事から50件ずつ表示します。


[319] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月26日(水)17時21分32秒   通報   返信・引用

 句会
     即吟

          喘     喘ぎ来て姥捨の滝山笑う

          玄     乱壊婆娑おぼろ幽玄夕ざくら

          緒     緒人の胸に梅の香即菩薩

          施     布施のなき邑のありたり梅ひらく

          烈     猿真似をするなと画説く烈師春     




[318] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月26日(水)06時50分38秒   通報   返信・引用

     イエスさまに入信をすると母が言ふ痩せて小さくなりたる母が   長谷川智哲


短歌人の歌人の歌を批評されておられる、切磋短歌ブログをわたしも拝見しとりあげている。この歌は素直な歌として良さがある。作為あり、虚偽あり、歌つくらんが為の歌、には閉口するのだがそれがない。母をいたく思いやる心がわれわれを打つ。



[317] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月25日(火)17時01分8秒   通報   返信・引用

     三日月の欠けたところに腰かけるみたいにオレを知ろうとするな   工藤吉生


三日月のところに腰かける、とは夢があってはかない夢を見るようだ・・・・・そんなこころで俺を知ろうとするな、というのだ。こんな詩人に俺を知ろうとするなんていいじゃないの、クドーくん。 読売歌壇 俵万智選。



[316] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月25日(火)16時38分52秒   通報   返信・引用   編集済

     会陰さへ濡るる泉に唇を寄せむとすれば夢は覚めたり   西王 燦


作者がかような夢を見たのであろうか、見たのであればこのような行為は多くあったのであろう妻と。この歌の評者は品があるというのだ、いかがであろうか。ややこしい品である。わたしは菜種畑でいざ性行為するとき夢が覚めてしまった。この歌、夢で行為が細かいのである、きっと、作為の歌だろう。



[315] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月24日(月)23時05分25秒   通報   返信・引用   編集済

 岩滝歌会


     乱壊婆娑うつくしかりしよ月の夜の朧桜の夢のはたて

    「退屈な天国は嫌よ、鬼とゐて地獄で遊ぶわ」阿婆ずれが言ふ



[314] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月24日(月)06時24分59秒   通報   返信・引用

     我といふ大海の波汝といふ動かぬ岸を打てども打てども   森鴎外


波汝(なれ)と読む。われという大海の波、動かぬ岸を打てども打てども、の意。俳句のような歌である。鴎外の歌はめずらしく、俳句がほとんどである。



[313] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月24日(月)06時14分15秒   通報   返信・引用

     はだか身のやもりのからだ透きとほり窓のがらすに月かたぶきぬ   高村光太郎


やもりの身体が透きとおり食べた蜘蛛が動いているのを俳句にした人がいた。この歌はさらに月がかたぶくというのだ。神秘がさらに深くなった。



[312] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月22日(土)08時33分49秒   通報   返信・引用

     たたきわりし茶碗のかけら見つつ我かなしきひとのまみ感ずる   稲森宗太郎


まみ とは眸で瞳のことである。わたしも 先日 怒りで茶碗を投げつけ割ったのだが、かなしきまみを想像することがなかったのだがよく考えれば感ずるものがある。



[311] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月22日(土)08時24分0秒   通報   返信・引用

     死なんとて踏切近く来しときに汽車の煙をみて逃げ出しき   荻原朔太郎


死は怖い、簡単には死ねないだろう。この歌、よくわかるのである。怖いながらも怖いを越えてする悲しき者がいるのである。よほどの覚悟だろう。汽車に当たると人は血の霧状になるという。



[310] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月22日(土)08時13分2秒   通報   返信・引用

     物はみなさかだちをせよそらはかく曇りてわれの脳はいためる   宮沢賢治


さかだち、により詩の転換を計ったのか。空は曇り脳は混沌とする。この天才の悩み見ることができる。天才といえども苦悩はある哀れ。



[309] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月22日(土)08時01分39秒   通報   返信・引用

     猫を抱きややに久しく撫でやりぬすべての自信滅び行きし日   中原中也


彼は詩人として天才であるのだが天才といえども自信喪失はある。猫を抱き愛撫するか弱き中也がいる。ここに詩が生まれる戸口があるのである。



[308] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月22日(土)07時53分1秒   通報   返信・引用

     この河馬にも機嫌不機嫌ありといへばおかしけれどもなにか笑へず   中島 敦


そうですね、河馬といえども生き物で感情はあろう。可笑しいけれど笑えない、可笑しい 笑えない が綯交ぜとなって複雑な感情になるこの世の生である。



[307] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月21日(金)09時13分1秒   通報   返信・引用   編集済

     カーテンの閉まる音して、雪明りひとりで見るには美しすぎる   大森静佳


雪明りをひとりで見るのは美しすぎる・・・・・カーテン閉める音  なんだね。雪明りは清浄で汚れがない、歪んだこころ、故意の創作も笑うだろう。この場合、独りで見た方がいいようだ。知に長けた芸術の卑小に気づくべきだ、早く。



[306] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月21日(金)08時46分31秒   通報   返信・引用

     撒く種はこころにあれよ涙水落としてだれの目とまらず咲く   小川良秀


朝日新聞の第一面の下にすこし載るコラムであろうか。執筆するひとは歌の素養があるらしい。ここでも何首かとりあげた、徘徊老人とかを。これは東北震災のことをいっているのをわたしなりに歌にした。復興は長く耐えねばならない人たちがいる。



[305] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月20日(木)07時18分1秒   通報   返信・引用

     死にし子をまつたく忘れてゐる日あり百日忌日にそれをしぞ嘆く   吉野秀雄


亡き子はかなしくその思いは早く忘れたかろう。百日忌日とはその子のことを思い出させる。あらためて、悲しみに浸るのである。



[304] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月20日(木)07時08分59秒   通報   返信・引用

     わが喀きし血の色なして曼珠沙華咲ける寂しさ人知れず見し   金田千鶴


わがはきし曼珠沙華の血の色とはすごい。そが咲くさみしさは人知れず見たというのだ。文学的な表白である秀歌。




[303] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月20日(木)06時57分46秒   通報   返信・引用

     あるときは吾をなせるものを憎みゐて死にたかりけり月夜こほろぎ   巽 聖歌


これも戦争詠であろう。戦争ならば非人間的な行動もせねばならぬ。死にたい気持も起こるであろう。蟋蟀が鳴く月夜が哀れである。



[302] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月20日(木)06時46分4秒   通報   返信・引用

     腹部貫通の痛みを耐へてにじり寄る兵を抱きておろおろとゐき   渡辺直己


作者は戦争詠の秀歌の第一人者である。このような歌は実体験がないと優れた歌になりえない。戦争の怖ろしさ、虚しさ、臨場感をよく表している。



[301] かんぜおん

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月19日(水)23時57分31秒   通報   返信・引用

 句会(1)

         夜の明けや梟くぐもる棟の上    ふくろくぐもる

         黎明や月は舟屋を後にして

         かわたれに雉子の距の濡れにけり   きじのけづめ

         蛇の穴こもれび揺らし蛇の黙     へびのもだ

         乱壊婆娑おぼろおぼろや祇園まで    らんえばさ



[300] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月19日(水)06時47分13秒   通報   返信・引用   編集済

     いづくなる神の悠久あらしめてふかき江のいろ舟屋しづまる   小川良秀


舟屋月虹、この歌から始まる。序章 本章 終章 から成り、現在 終章の段階である。600首できている。舟屋の里の浦島太郎が亀を助けて竜宮城へゆく、乙姫との愛の交歓である。



[299] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月19日(水)06時18分34秒   通報   返信・引用

     宿無しの吾の眼玉に落ちてきてどきりと赤い一ひらの落葉   山崎方代


彼らしい歌である、宿無し、吾の眼玉、どきりと赤い落葉。読むものを魅了させるのである。これも詩人の世界で、哀れで笑いが起こる。



[298] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月18日(火)09時17分45秒   通報   返信・引用

     檻の中に猿のうごくを面白がるわが子とをりて寒くてならず   高田浪吉


檻の中の猿を哀れむ作者、それを面白がるわが子。人生の年数の深さか、重みか。困る者へのいたわりを知らぬ子へいだく寒気のような寒さがよくつたわってくる。



[297] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月18日(火)09時07分20秒   通報   返信・引用

     兵おくる万歳のこゑあがるまは悲壮に過ぎて息のくるしゑ   筏井嘉一


素直な歌である。出征の風景で万歳の三唱の悲壮感、息が苦しくなるのはよくわかる。死を称える儀式のような、あってはならない戦争の序奏であろう。骨として帰えらば悲しみは消えぬ。



[296] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月18日(火)08時54分5秒   通報   返信・引用

     しげしげと医師にこの顔見すゑられつつわが貧しさ明しけるかも   松倉米吉


この思いはよくわかる。貧しさゆえに貧相な面をあばかれる作者、よく読者に気持がつたわってきてあわれな笑みすらあるのではないかと思わせるのだ。



[295] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月18日(火)08時44分48秒   通報   返信・引用

     夕ぐれをひとり入り来て墓石群が放つ温みの中に居りたり   山下陸奥


わたしが僧堂にはじめて入ったのは、京都、宇治の興聖寺であった。門前に墓石群があり、まさに冷たく感じたのであるが次第に温かく思うようになった。この歌の場合、夕ぐれなのでなおさら温みを感じたのであろう。



[294] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月17日(月)10時51分47秒   通報   返信・引用   編集済

        乱壊婆娑おぼろおぼろや祇園まで   良秀


らんえばさ、と読む。くずれ散りみだれる、のこと。晶子の京、清水から祇園までの桜の夕暮れどきの徘徊の歌が元になっている。わたしも歩いてみたのだがすばらしかったことを覚えている。

この句の三句目は初めは  花の径     おぼろ、が春の季語。主季語の花がおぼろに勝てばいいのだが。
             暮なずむ    もひとつ、 季語の問題はなくなるのだが。

             祇園まで    これがいいのかな。



[293] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月17日(月)10時31分58秒   通報   返信・引用

     ちろちろと岩つたふ水に這ひあそぶ蟹ゐて杉の山静か   若山牧水


牧水が埼玉県飯能市名栗温泉での歌である。内容が魅力的で読むものをひきつける。作為なくおのずと歌が生まれている。



[292] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月15日(土)12時12分20秒   通報   返信・引用

     かへりみて寂しきことの多かりき心つつましく寂しさに耐ふ   小泉苳三


たしか、美智子妃殿下と皇太子殿下をとりもった作者と思う。歌は寂しいことの多い過ぎゆきの寂しさをつつましく耐えたとおっしゃられる。詩的で人間的で人間の大きさをわれわれは見るのである。



[291] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月15日(土)12時01分14秒   通報   返信・引用

     流刑といふ語の感じさながらにひとり歩み来雪の荒磯を   橋本徳壽


流刑・・・・・ひとり歩み・・・雪の荒磯。 よくわかる情景である。ひとり歩む雪の荒磯、さみしくうつくしく孤独で悲しむような風の声もながれているようだ。



[290] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月14日(金)23時23分9秒   通報   返信・引用

     帰り来てひとりし悲し灯のもとに着物をとけば砂こぼれけり   土田耕平


啄木の一握の砂を思いうかべる。感傷は灯、着物とく、砂こぼれる、にある。



[289] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月14日(金)23時15分12秒   通報   返信・引用

     燃えながら堕ちゆくなかに青年の頣の見ゆとくりかへし言ふ   楠 誓英


戦機の青年の下顎が見えて墜落してゆく様であろう。くりかえし言う、が痛痛しい。



[288] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月14日(金)23時04分2秒   通報   返信・引用

     「コンゴより君を想ふ」とメールあり熱帯雨林の夜にいだかる   大下 香


あなたを想う恋のうた、の最優秀賞。コンゴ、メール、熱帯雨林の夜にいだかる、が良い。若者らしい歌である。



[287] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月14日(金)22時55分49秒   通報   返信・引用

     夕闇は馬のごとくに濃くなりぬ冬の京都をたちてたちまち   小池 光


夕闇が馬のごとくに濃くなる、とは馬のように早く夕闇が濃くなることか。冬の京都が良い。冬は暮れるのが早い。



[286] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月12日(水)12時44分52秒   通報   返信・引用

     樹のごときひとのひとりを思ひをりけさ美しき鳥を見しゆゑ   大辻隆弘


樹のごとき人とは、美しき鳥をとまらせるごときひとであろう。葉は繁り大きく高く広々としているように思う、自然のなかに。



[285] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月12日(水)12時35分37秒   通報   返信・引用

     保険屋のセールスマンを家に上げしばし懇談す死亡一千万   小池 光


死亡1000万とはちと安いと思うのだが。命を懇談す、というのがよい。わたしの姉は生命保険セールスを15年やっていたがよくやったものだ。辞める者は2,3ヶ月らしい。



[284] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月12日(水)12時26分27秒   通報   返信・引用

     女という文字そのものが足をくみ腕を広げて誘ってないか   工藤吉生


まさにそのとうり、女の字は。納得のゆく口語歌である。若いものはこんな詠みかたがいいのだな。歌としては韻が欠くのだが。作者もまた歌は変遷するだろう。



[283] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月11日(火)13時41分17秒   通報   返信・引用

     この谷や幾夜の飢に痩せて痩せて道に小さなる媼行かしむ   土屋文明


幾夜の飢とは悲しく哀れである。痩せて痩せて、が更なる悲しみを呼ぶ。痩せこけた媼が食べ物をもとめて彷徨ったのか道に。かなしい飢えの歴史である。



[282] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月11日(火)13時26分39秒   通報   返信・引用

     この寒き国の五月の花の旅寄る辺も知らに降りくらす雨   尾山篤二郎


寒き国、とは東北であろうか。五月の花の旅、といえどどんな花であろうか。降りくらす雨、とは降って暗くする雨、か。なにか寂しいひとり旅のように思う。



[281] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月11日(火)13時16分50秒   通報   返信・引用

     赤く錆びし小ひさき鍵を袂にし妻とあかるき夜の町へ行く   前田夕暮


たもとにし、と読むのか。赤く錆びし小ひさき鍵、とはそそとしている。妻と夜の町へ行くのである、いかなる夢があるのだろうか。



[280] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月11日(火)13時06分20秒   通報   返信・引用

     朝あけて船より鳴れる太笛のこだまはながし並みよろふ山   斎藤茂吉


なみよろふ山、と読む。これもひとつの写生歌であろう。この船は海、湾、湖の上が考えられるがわたしは湾ととりたい。なみよろふ山、とは山がならんでいるような様で船の汽笛の太笛のながいこだまがあるのである。茂吉らしいおおどかで万葉のような歌である。



[279] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月10日(月)17時35分33秒   通報   返信・引用

     劫初よりつくりいとなむ殿堂にわれも黄金の釘一つ打つ   与謝野晶子


これは一つの詩の表現である。劫初の殿堂とは浪漫的である。わたしも黄金の釘一つ打ちてつくったというのだ。黄金の釘、とはすぐれた歌であろう。



[278] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月10日(月)17時27分35秒   通報   返信・引用

     はらはらと黄の冬ばらの崩れ去るかりそめならぬことの如くに   窪田空穂


かりそめ、とはふとしたこと。黄の冬ばら、とは見たことがないのだが美しく詩的な感じがある。平明でいて詩情やすからぬものがある。純文学のような世界である。



[277] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月10日(月)17時16分36秒   通報   返信・引用

     夕靄は蒼く木立をつつみたり思へば今日はやすかりしかな   尾上柴舟


古き歌人は故意の創作をせずおのれの感情をそのままに表現した。もの足らないといえばそうなのだが嫌味の故意がないので格調が高い。おのずと生まれた歌は尊い。     



[276] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月10日(月)17時07分17秒   通報   返信・引用

     夜の部屋を秋の蚊ひとつ降下せり宇宙船にも似たるしづけさ   田宮朋子


これも比喩の例なのだが、しづけさ、はわからんでもない。宇宙船はいかがであろうか。最後をしづけさか、としたらどうか。蚊は宇宙船ではあわぬ。



[275] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月10日(月)16時59分31秒   通報   返信・引用

     桃に刃あてるがごときかなしみを雨降り頻る海見て思うよ   中川佐和子


雨ふりしきる海・・・・・桃に刃あてる、のごときかなしみというのだ。すこし理解に苦しむのだが読者はいかがであろうか。わたしは違和感をいだく。雨ふりしきる海は、恩寵のようで 桃に刃はひとつの無常のように思うのだが。



[274] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月 8日(土)14時13分43秒   通報   返信・引用   編集済

     力まかせに布団をたたく音がする、いや布団ではないかもしれない   松村正直


彼の歌の往々にしてくだらん感覚が出る見本のような歌である。ここに無上の創作を発見したのかもしれない。凡常が凡凡ならばどうにもならないのだが非凡ならば喝采をもせねばならない。



[273] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月 8日(土)14時03分22秒   通報   返信・引用

     はてしなきおもひよりほつと起きあがり栗まんじゆうをひとつ喰べぬ   岡本かの子


この歌のかの子のはてしなき思いとは何であろう。想う男のことであろうか、そうかもしれない。栗饅頭とは庶民的である。食べることが好きなようである。



[272] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月 8日(土)00時44分10秒   通報   返信・引用

     雪の日の半跏思惟像わたくしの自問自答いつまでつづく   川村健二


打坐(坐禅)には結跏と半跏がある。後者は女性ならば許される。前者は正式。坐禅は自問自答するものではない。ものにこだわらずといったところか。坐禅を知らないとこんな歌ができる。因みにわたしは永平寺僧堂安居。



[271] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月 8日(土)00時14分57秒   通報   返信・引用

     をんなには双の乳房がありまして右にあかんぼ左にをとこ   池田はるみ


よくわかる歌であるとともに、あかんぼとをとこには小笑い大笑いである。こんなことあるようだ、文枝の新婚さん いらっしゃい にあったようだ。



[270] 秀歌逍遥

投稿者: 小川良秀 投稿日:2017年 4月 8日(土)00時06分26秒   通報   返信・引用

     春泥の靴より徐々に見上げゆきつひにうつとりと君の瞳に合ふ   中城ふみ子


君の瞳にうっとりと合うというのだ。好きな男性であろうか。だが、春泥の靴より見上げというのだ。なにやら意味ありげなのだ。読むものを物語にひきこむようだ。


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